HAPPY END『新しい朝』



到達条件:空間崩壊時に牢の中へ逃げ込む
差し込む光の眩しさにゆっくり目を開けると、そこは見慣れた自分の寝室。
時間は普段起きている時間よりは少し早い、といったところだろうか。
伸びをしてカーテンを開け、顔を洗いに洗面所へ向かう。
その足取りはいつにも増して軽やかで、いつになく清々しい気分だ。
あの空間に自分を捕らえた何者か、その思惑を、人間が力を合わせて打ち破ってみせたという、誇らしさと充実感に満ちている。
あれが夢だったのかどうか、今はそんな事はどうでもいい。
とにかく、自分は今、生きているのだ。
服を着替え、いつになく爽やかな笑顔を鏡の前で見せて、
探索者はまた、代わり映えのしない日常へと戻っていく──

SAN回復 シナリオクリア 1d6
少女と共に脱出 1d3
探索者全員が牢に逃げて脱出 1d3
クトゥルフ神話技能 +2%

〜おまけシナリオ「HAPPY END 後日譚」〜



※ここから先は、ほぼ製作者の趣味で作ったテキストになりますので、そこまで描写するかはKPの自由です。
到達条件:牢の中の少女にクッキーを分けてあげた
それから数日後の事。
久々の休日に街へと出ていた探索者達。
思えばあの空間では仲間として過ごした他の探索者とは、現実においては全く面識が無いままだったのだが、
その日の探索者達は、まるで何かに導かれるように、普段の自分なら行かないであろうカフェに足を運んでいた。
そう、全員が偶然にも、同じカフェに足を運んだのだ。
現実での再会を喜ぶ探索者達。そしてお互いの身の上話や、あの空間での出来事など、時間を忘れて会話に花を咲かせる。
そして、記念にどこかで撮影でもしてから解散しようという流れで、駅前の広場まで来たところで、探索者達は突然声を掛けられる。
「あ、あのっ!」
声のした方向に振り返れば、なんとそこには、あの空間から共に脱出した少女が居たのだ。
あの時喋れなかった分か、探索者達に饒舌に話す少女。そんな中、彼女はバッグから小さな巾着袋を取り出した。
「どうしてかわからないですけど、今日なら皆さんに会える気がしていたので…」
そして、眩しいくらいの笑顔で、こう続けた。
「あの時のクッキーのお礼に、私もクッキー焼いてみました!」

あの空間は結局なんだったのか、それは探索者達には永遠に理解できないのかも知れない。
しかし、そこで生まれたこの新しい絆は、紛れもなく本物。
全員で力を合わせて生き延びたその証に、探索者達は少女も交えた写真を撮り、それをデスクの上に飾っている事だろう。
このかけがえのない仲間達と過ごす時間は、まだ始まったばかりだ。

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