最終局面


[メモを読み終え、鍵を手にする探索者。この鍵で開けられそうなのは、非常口か、あるいは牢だろうか。]
牢の少女から「内側に鍵穴がある」事を読み取っていた場合には、少女に鍵を渡す選択が自然とできると思います。
ゲーム開始前に非常口に聞き耳成功、もしくはショゴスを目撃していた場合には、「先程とは違い、非常口の先から不穏な気配が消えている」とも提示して下さい。

※ショゴス目撃後に、この段階で再度鍵開けをされたなら、鍵が開いた時点で崩壊がスタートします。この場合は、
・少女に牢の鍵を開けてもらい、牢の中に逃げ込む(→ハッピーエンド)
・少女を置いて非常口に走る(→ビターエンド)
・少女に鍵を渡す前に技能ロール(→少女が鍵を開けるのが間に合わずノーマルエンド)
の3パターンが考えられますので柔軟に対処しましょう。

少女を牢から出し、一緒に非常口に走った際には、最後尾の一人(もしくは少女)が間に合わないという処理になります。
間に合わなかった探索者はノーマルエンド、先に非常口から出た探索者はビターエンドです。

(少女は助けず、そのまま非常口から外に出る)
[探索者達は鍵を持って非常口へと向かう。それを見た少女が激しく牢を叩いているが、鍵は1つしかなく、自分達も助かりたいのが本音だ。
涙を流して必死に何かを訴えかける少女。しかし、心を鬼にして、探索者達は非常口の鍵を開けた。その瞬間、先程のカード同様に鍵は空間に溶けるようにして消えてしまう。
非常口から外に出た探索者達はまばゆい光に包まれて思わず目を閉じ──]
→ビターエンドです。
※非常口の鍵を開けた後に少女の元に行くと宣言した探索者は、鍵が無いので少女を助けられないため、個別にノーマルエンド行きです。

※「牢の内側に鍵穴がある」情報を探索者が持っていない場合
牢に近付いてみると、少女が声にならない声を発しながら、必死に何かを伝えようとしているのに気がつきます。
ここで心理学かアイデアをロールしてもらい、成功でそれに気付けます。全員どちらも失敗した場合は、リアルアイデアでその可能性への言及がない限り気付かない事になります。

(牢屋)
ゲーム前に一度確認している場合でも、やはりこの牢だけ異質な雰囲気を感じると強調しましょう。

(少女に鍵を渡す)
[鉄格子の隙間から少女に鍵を渡し、少女が内側から鍵を開けると、かちゃんという音と共に牢の扉が開く。
同時に、先程のカードと同じように、鍵は空間に溶けるようにして消えてしまった。
ともあれ、少女を助け出せて良かったと安堵していた探索者達だが、不意に部屋全体が大きく揺れ始める。
何事かと探索者達が周囲を見渡すと、最初に居た真っ白な部屋が猛スピードで崩壊し、深い闇に侵食されているのが目に入った。
そしてその崩壊は、今にもこの石造りの部屋に及びそうな勢いだ。目を疑う光景に、探索者達は0/1d3のSAN値チェック。]

ここでKPから、部屋の崩壊のスピードから考えて、探索者の取れる行動は
・技能ロール1回
・それを受けての行動宣言
までが限界だという事を伝えて下さい。

※但し鍵開けだけは、成功失敗問わず他の行動は行えなくなります。

目星→咄嗟に部屋を見渡し、部屋の隅の甲冑、非常口が目に入る。更に少女が、牢の中へ誘導するように服の裾を引っ張っている事にも気がついた。
聞き耳→五感を研ぎ澄ませて脱出の方策を練っていると、少女が牢の中へ誘導するように服の裾を引っ張っている事に気がついた。
アイデア→思考をめぐらせていると、ふと少女が牢の中へ誘導するように服の裾を引っ張っている事に気がついた。

(非常口に鍵開け成功)
何とか鍵を開けられた探索者だったが、既に崩壊はすぐそこまで来ていた。他の探索者や少女が扉から出る余裕は無さそうだ。
探索者は仕方なく、非常口から自分一人で脱出する事になる。
そこにはまばゆいばかりの光が広がっており、その眩しさに探索者は思わず目を閉じて──
※他の探索者の行動に関わらずビターエンドとなります。


※その他の技能では、特に何も起こりません。

(非常口に鍵開け失敗)
鍵開けに失敗し、まずいと思った時には、崩壊はもう目の前まで来ていた。
何もできずに崩壊に飲み込まれ、手を伸ばして何も掴めず、どこまでも落下して行くような感覚。
自分はこのまま死んでしまうのだろうか…何か他に助かる道は無かったのだろうか…
そんな深い後悔を感じながら、やがて探索者の意識は闇に落ちた──
※他の探索者の行動に関わらずノーマルエンドとなります。

(非常口に鍵開けを成功させた後、牢を開けて非常口に走る)
※KPは走る隊列を確認すること
少女を牢から出すと、探索者達は(最後尾の人物)をしんがりに非常口へと走る。
しかし、空間の崩壊は思いの外早く、(最後尾の人物)が非常口に辿り着こうとしたその時、部屋の床が全て消え去った。
深い闇の中に放り出される(最後尾の人物)。他の探索者達がどれだけ手を伸ばそうと、もう届くことは無い。
やがて(最後尾の人物)が完全に闇の中に消えたのを見届けると、探索者達は沈痛な面持ちで光の中へと歩みを進めるのだった──
※最後尾の人物のみノーマルエンド、その他の探索者はビターエンド。最後尾が少女の場合は全員ビターエンド

(甲冑を着て身を守ろうとする)
探索者は部屋の隅にあった甲冑に手を伸ばす。(どの部位の甲冑を着るかプレイヤーに聞いた上で)自分が最優先で守ろうとした部位の甲冑を身に着けた瞬間、探索者は崩壊に飲み込まれた。
手を伸ばして何も掴めず、どこまでも、どこまでも落下して行くような感覚。
自分はこのまま死んでしまうのだろうか…そう考えたところで、今頃になって探索者は気がついた。
空間が崩壊していくという異常な現象を前に、甲冑程度でどうにかなるわけが無かった事に。
そんな深い後悔を感じながら、やがて探索者の意識は闇に落ちた──
※他の探索者の行動に関わらずノーマルエンドとなります。

(崩壊に自ら飛び込む)
どうしようかと思考を巡らせていると、気がつけば崩壊はもう目の前まで来ていた。
そして探索者は、あろう事か自らその崩壊に飛び込んで行く。
その深い闇の中では、手を伸ばして何も掴めず、どこまでも、どこまでも落下して行くような感覚しかない。
やっと、自分の取った行動がどれほど愚かだったかを悟る探索者。
自分はこのまま死んでしまうのだろうか…何か他に助かる道は無かったのだろうか…
そんな深い後悔を感じながら、やがて探索者の意識は闇に落ちた──
※他の探索者の行動に関わらずノーマルエンドとなります。


(牢の中に入る)
探索者達は少女に導かれるようにして牢の中に入り、扉を閉めて身を寄せ合う。
やがて部屋の全てが崩壊すると、周囲を覆うのはあまりにも深い闇だった。探索者達は自然と恐怖を感じ、身を寄せ合う。
しかしどういう事だろうか、この牢を構成する鉄格子や扉、さらには天井・壁・床の全てが、部屋の崩壊には飲み込まれていないのだ。
もしかしたら、牢屋を見た時に感じていた異質な雰囲気は、これが原因だったのかも知れないと、探索者は気がつく事だろう。
探索者達は暫しの間、牢と共に落下する感覚を感じていたものの、不意にその感覚が薄れてゆく。
その瞬間、周囲を覆っていた深い闇は一気に晴れ、目が眩むほどのまばゆい光へと変わったではないか。
その光はとても暖かく、まるで探索者達を祝福しているかのようであった。
そして探索者達は少女の手を引きながら、その光の中へと歩みを進める──
※ハッピーエンドとなります。

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